厳しい建築基準をクリアして建設される賃貸マンションが地震以外の理由で揺れることはあるでしょうか。
一見考えにくいことですが、意外な盲点もあります。
ここでは地震以外で揺れる賃貸マンションについて考察します。
地震以外で揺れる要素

たまに「大型車が通ったときにマンションが揺れた」といった話を聞くことがありますが
これは本当にあり得るのでしょうか。現在の賃貸マンションは1981年の新耐震基準で建てられており
鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が採用されているため、非常に頑健です。
したがって、建物の構造上の理由から地震以外で揺れるということは通常考えられません。
もし「大型車が通ったときに揺れた」ということになると
それは建物のせいではなく建物の下の地盤が軟弱な可能性があります。
地盤に関しては借主が判断できるものではないので、どうしても気になるのであれば
不動産会社に相談してみましょう。
意外! 人間のせいで揺れることも!

人間の動きが原因でビルが揺れたという事例がいくつかあります。
いずれも場所は大阪で、ひとつ目は大阪市浪速区の有名ライブハウス「Zepp Namba『OSAKA』」での
事例です。ライブ中に観客たちが、通称"縦ノリ"と呼ばれるジャンプを続けたことによって
約50m離れた機械大手「クボタ」の本社ビル6棟のうち2棟が大きく揺れる事態になりました。
「Zepp」は2,500名収容可能な大規模ライブハウスで、揺れた2棟はクボタ第1別館(1968年築)と第2別館
(1973年築)で、いずれも耐震性診断の結果に問題はなかったようです。
この他にも、大阪市西区大阪市西区の京セラドーム大阪のライブで観客が縦ノリをした際
近くの高層マンションで震度3に相当する揺れが観測されました。
住民からの苦情によって、京セラドームでは100ヵ所以上に振動を抑える装置(制振装置)を設置しました。
同様の事件は大阪市北区の「大阪国際会議場(グランキューブ大阪)」でのライブでも発生しています。
土木工学の専門家も地盤が弱い地域では、ジャンプの振動が他の建物に伝わる可能性は充分に
考えられるとしています。
このような例はあくまで稀なケースで賃貸マンション選びの際はあまり気にする必要はありませんが
立地や環境によっては新耐震基準であっても地震以外で揺れる可能性があるということは覚えておいた方が
良いでしょう。